はいはい、俺です。告白すると...俺...PAです。といっても、バンドもやってます。俺の人生
そう簡単なもんじゃないよ。まるでマンUファンがマンチェスター市のコーチを務めてるみた
いな感じかな。そうそう、敵だよ。どっち側にもそれを言えないんだな。
俺が演奏するときは、卓の事情は何にも分からないふりをする。PA作業を「全部知ってます面
するのがPAを怒らせるとか知り尽くしてるからな。だってそれ俺もムカつくし。リハ中にバン
ドマンが、「いつもはもっとそこ上げて、あとあっちは下げてみたいな感じでやってるんすけど
~」みたいのはマジ勘弁。PAとバンドマンの間の壁を作ってるのって、めっちゃ小っちゃいことなんだよね~。
俺は多分理想主義かも。心はピュアなんだよ。実際に必要なのはたった10個のルールだけさ。その10個だけ守っていれば、すごく上手くいく。我慢だけしてればいいって事ではないけど、確実に楽になるのは間違いないはずだね。
バンドマンと俺の仲間達へ、PAにウザがられたり、「出てけ!」と言われないために、単純なルールを守ってみてほしい。
次に挙げる事は、俺たちPAがバンドから絶対聞きたくないフレーズだ。
1)「何にも聞こえないんだけど」
104DBが顔面を直撃してるんですけど... 髪の毛が頭から吹き飛ぶような大音量だぜ。もしかしたらヴォーカルが聴こえないかも。もしかしたらギターが聴こえないかも。でも耳が聞こえるんだったら、絶対何か耳に入ってくるでしょ?こんな場合は、一体何がもっと欲しいのか、何を下げて欲しいのか教えてくれ。持ちつ持たれつってやつだ。だから頼むから「何にも聞こえないんだけど」は止めてくれ!それが出来ないのならば、違う趣味を選ぶべきだな。
2)ギタリスト
来る日も来る日も何時間も音の調整をし続けて、いざ本番となるとアンプの音量を5から10にするギタリスト... 超意味不明!音のクオリティーと音量のクオリティーを勘違いしてない?だって突然ギターの音しか聴こえなくなって、みんな俺(PA)の方を向いて「ハ?」みたいな顔するんだぜ。えっと、犯人?あんたのバンドのギタリストだ!
3)激安の機材で固めたバンド
近所の100均で買ったエフェクターに使う電池。使い物にならない激安ギターシールド。音よりも酒に金をつぎ込むギタリストの中古の34ズームペダル。ジージー騒音が鳴りまくってる!今でもその音が頭で鳴り響いてるよ... まるで1973年くらいの発展途上国のバンド並だね。
この激安機材の持ち主は決まってこう言うんだ...「ってか何で?練習ではいつも上手くいってるのに!箱のせいか卓が悪いかPAがヘタだからだよ。」
おいおいおい、いい加減にしろ。
4)「聞こえない!」と叫ぶヴォーカリスト
上のようなヴォーカリストは、どうしたいのか伝えてくれれば俺たちPAがどうにかするのに。そのせいで初心者バンドマンみたいに見えることはないよ。プロ精神がないあなた、気を付けましょう。
5)遅刻魔!
7ピースバンドなのに、遅刻のせいでバンドメンバー2人でリハ?「電車が遅れてて...」「道混んでて...」今まで何度も聞いたよ。
機材がない?え?「彼女が俺のベース持ってて、今駐車場を探してるんだ。もうすぐ着くはず!」
結局ライブが終わってゴチャゴチャ言ってるのを聞くと、「PA最悪だったな、もうちょっとどうにかなったよな~」。
は?マジ帰れ... 遅刻してきたのはあんた達だろ。
さてここからはバンドマンからPAに!待ってました!?(笑)
6)バンドにあいさつ
あいさつするのは当たり前&一円もかかりません。はいはい、昨日は20000人のアリーナで最新人気バンドのメッチャでかい卓でMIXしてたかも。高い台の上の卓でMIXして、オーディエンスもかなり盛り上がって、気分は神レベルだったかも。それが今日はボロい箱だし、ガムテープでつなぎ合わせたようなモニターと使い古しのマイクで仕事しなきゃいけない...それは誰のせいでもないじゃん?自分が選んだだけじゃん?バンドマンはPAを選べないんだよ。だから、「お疲れ様です!」とか「お早うございます!」は必須でしょ!一日お互い気分よく過ごすためにな!
7)卓の前に居てくれ
お願いだから卓の前にいてくれ。マジで。
本番真っ最中、大事な大事なギターソロの直前、音が止まった。全く聴こえない。そんな時に限って外で一服してたり、空気吸いに行ってたりするんだこれが!
外でナンパしてたりっていうのもあったな...
絶対やめてくれ!たとえ5分でも!卓の前に必ずいてくれ!
後でビールでもおごるから!(もしかしたら女の子も紹介できるかも...(笑))
8)通じる言語を使おう!
いつも新しい言語を知るのって楽しい。超難解な専門用語じゃなければね... 俺達バンドマンはPAが専門用語を知ってるプロで嬉しいよ。でも俺達に「PS15で2K...SPX90で飛ばして...」なんて言われてもね。スタジオだったりで使うのは問題ないと思うけど、俺達に超難解なオタク語で話しかけないでくれ。バンドマンはもっと単純さ。
9)バンドマンの彼女をナンパすんな(バンドの中の女の子も)
マジでやめろ。真剣に。特にバンドマンの彼女は。
バンドはステージで弾いてて、卓の横にはそのバンドマンの彼女がいる。
ナンパしやすいよな?分かる分かる。
どうせするなら違う娘をナンパするように!
10)時間に正確に!
さて、ここからは説教。俺の知ってるバンドマンは全員この問題で困ったことがある。
PAが完全に出勤日を忘れてて、たかがリハをするのに2時間待ち。お前の仕事だろ。待ってる間にバンドメンバーと目を見合わせてPAに対してのイライラがどんどん増していく。ホントにイライライライラ...
遅れるとあんたは典型的な遅刻魔PAのレッテルを貼られて、話のネタにされて、ずっとそのイメージのまま数年間てことも。
最後に、とにかくみんな上手く共存しなきゃいけない。仲良くなったほうがベター。力を合わせよう!音楽への情熱で繋がってるわけだし.....控え目に言うとね、そんな感じ。十分でしょ!いい関係を築くには!